世界で称賛される和食、その裏で進む日本人の生活基盤の弱体化
新刊『和食をめぐる政治』刊行
和食は、いまや世界的に評価される日本文化の象徴となっている。無形文化遺産への登録、海外での日本食ブーム、農林水産物の輸出拡大、観光政策との結合など、その成功はしばしば輝かしい成果として語られてきた。
しかしその一方で、日本国内では食材価格の上昇、地域の生産基盤の脆弱化、山林や漁場の荒廃、観光公害の拡大など、食と生活を支える条件の変化が進行している。文化としての成功と生活の現実は、なぜ同時に進行しているのか。
新刊『和食をめぐる政治:文化的成功の裏側で失なわれる生存基盤 ―世界的ブームと国内の現実―』は、この問いを政治学の視座から分析するものである。本書は和食を固定された伝統文化としてではなく、政治的・制度的・市場的条件のもとで再編される実践として捉え直す。
序章では、和食ブームが食卓にとどまらず、農地・漁場・山林・観光・地域空間へと広がる政治的過程であることを示す。
第1章から第3章では、和食が政策の対象となり、輸出振興や観光政策と結びつく中で、「守る文化」から「活用する資源」へと位置づけが変化していく過程を検討する。
第4章から第5章では、その政策的再編が生産現場と生活条件に与えた影響を分析する。観光公害の拡大、地域の空洞化、山林環境の変化、漁業資源の不安定化などは個別の問題ではなく、相互に連関した構造的変化として捉えられる。
第6章では、海外で拡大する和食ブームと国内の基盤変化を対比し、「文化の成功」と「生活基盤の弱体化」が同時に進行する構造的逆説を明らかにする。
終章では、食を単なる資源ではなく生活基盤として再定義する必要性を提示し、その視座の転換なしには文化評価と生活維持の接続は困難であることを示す。
本書は、和食や日本文化に関心を持つ読者に加え、農林水産業、観光政策、地方自治、環境問題に関わる研究者・実務家にも向けられる。
和食は何をもたらし、何を変えてきたのか。本書はその問いを文化論ではなく、生活と政治の問題として再構成する一冊である。
【書誌情報】
書名:和食をめぐる政治
副題:文化的成功の裏側で失なわれる生存基盤 ―世界的ブームと国内の現実―
著者:梅津弘幸(政治学者)
(Amazonで発売・2026年2月)
https://www.amazon.co.jp/「和食をめぐる政治」で検索
広告費0円で新商品・新サービスのプレスリリースを無料で配信!
配信内容を入力するだけで最短1時間でプレスリリースを配信!
日本のがんばる企業を応援します!